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「おめーが早朝から出て行くなんて、おかしいと思ったんだべさ。」
センソウのあと、家に帰ったら玄関に鷹栖さんが
仁王立ちして待ってました。
服、キレイにして、いつも通りを装ったのにアッサリばれました。
この手のウソは、自衛隊員には通用しなかったでス。
「あの、でも、こりすちゃん先輩は行ってないですよ?」
「里栖の事、言ってるんでない。」
「ちゃこは、戦うの、きらいじゃないですから…。」
「…。」
「みんなの代わりになるなら、ケガしてもいいんです。」
ガンッ!!
鷹栖さんが思い切り壁を殴ったので、びっくりしました。
その手がちゃこのほうに伸びてきたから、オシオキされると思って
目をつぶったけど……ゼンゼン、ちがいました。
師匠も、あーちゃんも、鷹栖さんも
優しい人がこんなにいると、いつか死ぬのが、怖くなりそうで
ちゃこはそれが、何より怖いんです。
幸せになりたかった、ひだまりに戻りたかった。
だけど、どうすればいいのか分からないし、それ以前に
そんなコトは許されないんです。
ここに生きて、笑うコトさえ、罪だと感じてる…。
カラダ、キモチ、ココロ、バラバラ。
「痛い所ないか?」
「むねが、いたい、えす。」
鷹栖さんの腕の中は、まるでシェルター。
香水とタバコの匂いがする、シェルター。
センソウのあと、家に帰ったら玄関に鷹栖さんが
仁王立ちして待ってました。
服、キレイにして、いつも通りを装ったのにアッサリばれました。
この手のウソは、自衛隊員には通用しなかったでス。
「あの、でも、こりすちゃん先輩は行ってないですよ?」
「里栖の事、言ってるんでない。」
「ちゃこは、戦うの、きらいじゃないですから…。」
「…。」
「みんなの代わりになるなら、ケガしてもいいんです。」
ガンッ!!
鷹栖さんが思い切り壁を殴ったので、びっくりしました。
その手がちゃこのほうに伸びてきたから、オシオキされると思って
目をつぶったけど……ゼンゼン、ちがいました。
師匠も、あーちゃんも、鷹栖さんも
優しい人がこんなにいると、いつか死ぬのが、怖くなりそうで
ちゃこはそれが、何より怖いんです。
幸せになりたかった、ひだまりに戻りたかった。
だけど、どうすればいいのか分からないし、それ以前に
そんなコトは許されないんです。
ここに生きて、笑うコトさえ、罪だと感じてる…。
カラダ、キモチ、ココロ、バラバラ。
「痛い所ないか?」
「むねが、いたい、えす。」
鷹栖さんの腕の中は、まるでシェルター。
香水とタバコの匂いがする、シェルター。
鷹栖さんはお仕事お疲れで、早く寝てしまって
師匠は今夜はバンドの練習で、仲間と一緒で
こりすちゃん先輩は、寮の消灯時間過ぎてて
黒ちゃんは、彼女と一緒で。
こんな風に色んな偶然や必然が重なると
まるで自分が、世界でひとりぽっちに思えてくる。
名前を呼んで欲しかった。
でないと自分が、ココニイルのか分からなくなるから。
別に死ぬ事が怖くなったんじゃない。
怖いのは、自分が必要とされないこと。
この世でも、あの世でも、其れは同じこと。
携帯のアドレス帖を開く、映し出されたのは僅か数人分の名前。
ほとんど無意識に、通話ボタンを押していた。
プルルル
冷たい電子音が耳に入ってきてやっと其れに気付いた。
あわてて携帯を閉じた。
都合のいい時に、都合のいいお願いをするために
相手の都合お構いなしで呼び出す。
だから携帯なんてキライ。
だから自分なんてキライ。
「…サイテー、でス。」
空を見上げる。
そこには星ひとつない、漆黒の闇。
今宵は星すらも、返事をしてはくれない。
ベランダから身を乗り出して手を伸ばしても、届かない事くらい知っている。
どんなに願っても手に入らないものがあるんだって事くらい、知ってる。
それなのに、手を伸ばさずにいられないのは、どうしてなんだろう――。
師匠は今夜はバンドの練習で、仲間と一緒で
こりすちゃん先輩は、寮の消灯時間過ぎてて
黒ちゃんは、彼女と一緒で。
こんな風に色んな偶然や必然が重なると
まるで自分が、世界でひとりぽっちに思えてくる。
名前を呼んで欲しかった。
でないと自分が、ココニイルのか分からなくなるから。
別に死ぬ事が怖くなったんじゃない。
怖いのは、自分が必要とされないこと。
この世でも、あの世でも、其れは同じこと。
携帯のアドレス帖を開く、映し出されたのは僅か数人分の名前。
ほとんど無意識に、通話ボタンを押していた。
プルルル
冷たい電子音が耳に入ってきてやっと其れに気付いた。
あわてて携帯を閉じた。
都合のいい時に、都合のいいお願いをするために
相手の都合お構いなしで呼び出す。
だから携帯なんてキライ。
だから自分なんてキライ。
「…サイテー、でス。」
空を見上げる。
そこには星ひとつない、漆黒の闇。
今宵は星すらも、返事をしてはくれない。
ベランダから身を乗り出して手を伸ばしても、届かない事くらい知っている。
どんなに願っても手に入らないものがあるんだって事くらい、知ってる。
それなのに、手を伸ばさずにいられないのは、どうしてなんだろう――。
「千夜ーー、ビールもう一本ー。」
「むー、さすがに飲みすぎ…。もうやめましょ?」
「いや、なんもだ。」
「うそつきさん、ベロベロじゃないえすか。」
「なーんーもーだーー。」
「鷹栖さん困ったサン、こりすちゃん先輩に怒られまス。」
「なんで里栖がでてくるんだべさ。」
「こりすちゃん先輩は鷹栖さんの家族、家族はゼッタイえす。」
「じゃあ……おめーも家族になればいいべや。」
「…師匠のおじさんとおばさんにも…さそってもらいましたけど
ちゃこ、やっぱり養子は…。」
「誰がそったらこと言ったんだべさ。」
「う?」
「…千夜と一緒に暮らすんは、なまらあずましいし。」
「あずま…?」
「そりゃおめーからしたら、俺はオヤジだわ。」
「まぁたしかに、23歳ばかりトシウエですね。」
「俺は…なしておめーと、どんぱでないんかなぁ。」
「どん…どんぱち?」
「いい振りこいてもしゃーないけど、したって…あー俺みっだぐない!」
「あの、鷹栖さん、わざと北海道弁で喋ってまス?」
「……だったら、なんなんだべさ!もう寝る!!」
鷹栖さんはそのまま、ホントに寝てしまいました。
言ってる事は分かりませんでしたけど、今日の鷹栖さんは
オヤジっていうより、子供みたいでした。駄々っ子さん。
こんな風に まだ こんな ちゃこと
イッショにいてくれるのは イッショにいられるのは もう……。
「むー、さすがに飲みすぎ…。もうやめましょ?」
「いや、なんもだ。」
「うそつきさん、ベロベロじゃないえすか。」
「なーんーもーだーー。」
「鷹栖さん困ったサン、こりすちゃん先輩に怒られまス。」
「なんで里栖がでてくるんだべさ。」
「こりすちゃん先輩は鷹栖さんの家族、家族はゼッタイえす。」
「じゃあ……おめーも家族になればいいべや。」
「…師匠のおじさんとおばさんにも…さそってもらいましたけど
ちゃこ、やっぱり養子は…。」
「誰がそったらこと言ったんだべさ。」
「う?」
「…千夜と一緒に暮らすんは、なまらあずましいし。」
「あずま…?」
「そりゃおめーからしたら、俺はオヤジだわ。」
「まぁたしかに、23歳ばかりトシウエですね。」
「俺は…なしておめーと、どんぱでないんかなぁ。」
「どん…どんぱち?」
「いい振りこいてもしゃーないけど、したって…あー俺みっだぐない!」
「あの、鷹栖さん、わざと北海道弁で喋ってまス?」
「……だったら、なんなんだべさ!もう寝る!!」
鷹栖さんはそのまま、ホントに寝てしまいました。
言ってる事は分かりませんでしたけど、今日の鷹栖さんは
オヤジっていうより、子供みたいでした。駄々っ子さん。
こんな風に まだ こんな ちゃこと
イッショにいてくれるのは イッショにいられるのは もう……。
御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録