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どうしてでしょか。

夜空を見上げてると、時々ふと
とっても悲しくて、泣きたくなります。


天命を全うするその時に、最期の時に
『嗚呼、幸せな人生だった』と感じられたらいいな。

笑って天国の慶おにぃちゃんや、じっちゃんや
お父さんやお母さんやお兄ちゃんたちの所に
ゆけたらいいな。

ただ、そう思います。


………ちゃこがゆけるのは、獄楽だけだとしても
願うのは、夢見るのは、自由ですよね…?

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今日は鷹栖さんがシュッチョーだったので、師匠が晩御飯
うちに食べに来てくれました。

「ちゃこイイコじゃなかったから、サンタさん来てくれないですよね…。」
「は? 何が??」
「だから、サンタさん。」
「………や、来てくれるって!よし、手紙書け手紙!」
「あは、じゃあダメモトで書いてみまスっ。」
「おう!………………………こいつまだ信じてやがったんか(ぼそ)」
「う?」
「なんでもねー!」

そいで、ちゃこ、お手紙書きました。
たくさん考えました、ほしいもの。

「千夜呼は何ほしいんだー?」
「えと、おともだち。」
「…サンタにゃ荷が重いだろ、モノにしろや。」
「んーと、んーーと………あんぱんまんのぬり絵!!」
「………。」
「ちゃこ、ぬり絵けっこうトクイなんれすよ、ふふ。」
「………………。」
「あえ、ししょ?」

もう一個書いとけって、師匠が言うんですが、そんな欲張りさんは
ダメダメらとおもうんでス!
もし書くとしたら何?って聞くので、大きい肉って答えました。
肉はいいです、肉、にくぅーー。


 ほんとに欲しいものは、手には入らないから
 くちに出してしまうと、夢すらすぐ消えてしまいそうだから
 だから、ひみつです

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【Rescue Wings】はずっと、ちゃこにとって一番のシェルターでした。
師匠がいて、こりすちゃん先輩が作って、守ったシェルター。
あの中にいれば、ちゃこはコワイこと、何もなかった。
だって師匠がいつだって、守ってくれたし
誰もちゃこを否定しないし、キライにならないでくれたから…。

もちろん花園も、シェルターでした。
ゆとりちゃんもマリスちゃんも、最初は知らないヒトだったけど
花に囲まれて笑ってたふたりをみて、ああ、ダイジョブだって
そう思って、勇気だしてお手紙を出しました。

ホントによかった、大事な場所が増えて。



知ってるヒトがいないところはコワイ。
また誰かに、気づかない内にメイワクかけたり、嫌われたり
するんじゃないかって。
もちろん、ちゃこが悪いんですけど…。

だけどちゃこはもう、シェルターに閉じこまってるままじゃダメだって
そう、思ったんです。

師匠が、行ってこいって笑ってくれました。
RWに帰れなくならないように、ゆとりちゃんがケッシャの
友好結んでくれました。
はじめましての【お食事処◆蛸の木◆】さんの、てんちょが
いらっしゃいって受け入れてくれました。

ありがたいなって、ココロから思います。
がんばりますね、たくさん仲良くなれるように
たくさんみんなが、笑ってくれるように…。

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くりすますが近いからでしょか。

みんなふわふわしてて、にこにこしてて
とってもシアワセそうでス。

みんなが笑ってて、ちゃこもウレシイえす。

ちゃこのクリスマスは……どうなるんでしょか。

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12月近くになって以来、テレビからは盛んにクリスマスソングや
クリスマスに関する話題が流れるようになった。
千夜呼は鷹栖と二人、食卓を囲んでそんなテレビをぼんやり見つめていた。

「もうそんな時期か。」
「早いでスね、こりすちゃん先輩と師匠のオツキアイ1年キネンビえす。」
「…ドツキアイ記念日になればいいんだべさ。」

ムッとした顔で、冗談か本気か分からない事を言う鷹栖を見て
千夜呼は思わず吹き出した。

「千夜は? 去年のクリスマス、どうしてたんだべさ。」
「…きょ、ねん?」


11月11日を境に、千夜呼の記憶には、もやがかかっていた。
楽しかった事も、辛かった事も、まるで夢の中の出来事であったかのように、
そして遠い遠い思い出のように感じられていた。
今の千夜呼に思い出せるのは、よほど強烈なイメージだけかもしれない。

空ろな目をして過去の記憶を探っていた千夜呼が、ふと視線を上げた。

「…たつや、さん。」
「ん?」
「燵也さんが、誘ってくれました。一緒にって……。」

千夜呼の心の中で、黒い髪の男性が、優しく微笑んでいた。
この学園に来て、虎太郎以外で初めて自分を受け入れてくれた人だ。
ふいに『チャコ』と呼ぶ声が聞こえた気がして、千夜呼の瞳に涙が浮かんだ。
鷹栖は黙って、その涙をぬぐってやった――。



「それから。」

暫くして、千夜呼が再び口を開いた。

「椎本せんぱいとも、会いました。」
「…他にもいるのか。」
「お魚のカンヅメ、もらったんでス。」

千夜呼は、「たからものいれ」と書かれた自分専用のダンボールから
一つのカンヅメを持って帰ってきた。

「他のは食べちゃったでスが、いっこキネンに残しておいたえす。」
「そうかそうか。 で、そのタツヤとシイモトってのは、どんな奴だ。」

声色の変わった鷹栖に、千夜呼が指差したものは…。

「マフラーに、飴?」
「あい、この黒いマフラーが燵也さん、ピンクのキャンディーが椎本せんぱい!」
「…わからん!なんなんだべさ、その例え!もうちょっとあるでしょや、こう!」
「だって、こうなんえすモン、他にナイナイえすよぅ。」



 クリスマス、聖なる夜。
  カミサマなんて信じてないけど、トクベツな日だから――。

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おうちで慶おにぃちゃんと、あやとりしたり

お手玉したり、お話したり、たのしいえす。

でも、おひざ枕は、ちょとイタイえす、ほねほね。

だから、おひざ枕は、師匠と鷹栖さんにしてもらいます。

ふたりとも、頭たくさん撫でてくれます。


体温は、やっぱりダイスキ。

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今日はひさしぶりに、異空探検隊シュツドーえす。

師匠はこれ、つきあってくれないので、ひとりえす。

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「おつかれえス、ししょ。」

今日は、スタジオの外で、師匠の出待ちしてみました。

「ガキがこんな夜中にこんな所で待ってんじゃねー!」
「…うーうー、だって…。」
「中入ってくりゃいいだろーが、風邪ひいたらどうすんだアホ。」

師匠はそう言って、自分の上着をかけてくれました。
あったかです。

今夜はお仕事で鷹栖さんが帰ってこなくて、一人。
最初はお家でお掃除したりしてたけど、どうしても心細くなって、寂しくなって…。

いつも二人の空間にひとりぽっちだと、悲しい記憶ばっかり反芻してしまいます。
ぐるぐる、ぐるぐる、涙のニオイ。


『壊れそうになったら 壊れる前に 俺の所へ来い』

前みたいにイッショにいる事をやめた師匠との、大事なオヤクソク。
オヤクソクしてなかったら、こんな時だけ都合よくヒトを利用するなんて…って
ちゃこは、会いにいけませんでした、きっと。




帰り道、師匠がくしゃみを一つ。
上着を返そうとしたら、『いらねぇよ』って、頭なでられました。


冷たい秋風、欠けたお月様、オレンジ色の街頭、音の無い世界。
ぜんぶキライ、ぜんぶ哀しい。
むねが、ぎゅーってなるんです。

「・・・千夜呼、俺様の目ぇ見ろ。」
「どしてですか?」
「いいから、口答えすんな。」

キライなものに囲まれたこの場所で、唯一ダイスキな存在。
金色の髪が、光に反射してキラキラ。

師匠はいつも、まっすぐ相手の目を見る。
ちゃこはいつも、ヒトの目を見ない。
ココロを覗かれそうで、怖いから、見れない、見たくない。

ゆっくり、視線を上げる。
師匠の瞳は、ほんとは苦手なオレンジ色。

「微妙だな、ちょっとウツロだ。」
「…あい。」
「お前、どうしたい?」
「……おんぶ。」
「マジかよ、ギターとお前で何キロだー?」

そんなこと言っても、師匠はおんぶしてくれます。
知ってます、師匠はいつだってちゃこを、拒絶したりしない。

師匠の背中、ぽかぽか。
鷹栖さんみたいに広くないけど、ぽかぽか
少し、慶おにぃちゃんの背中に似てる。


「おい、どっち向かえばいいんだよ。」
「……師匠の、おうちの方。」
「あいよ、了解。」

師匠が選んだヒトが、こりすちゃん先輩でよかった。
こりすちゃん先輩以外のヒトだったら、わたさなかったです。

「…ししょ。」
「あ?」
「今日いっしょ、寝てもいいえすか?」
「おう、つか久々じゃね?」
「あい、とっても………えへへ。」

もうちょっとだけ、甘えさせてください。
まだちゃこは、ちゃこのコト、壊すわけにいかないから…もう少しだけ。


ぎゅって、しがみつくと、師匠のニオイで満たされた。
ココロの、表面の剥がれかけた部分が、元に戻っていくみたい。

…スキ。



「あ、千夜呼、お前またノーブラだろ。」
「…なんで、今そゆこと言うでスか。」
「仕方ねーだろ、男の子だモン! ノーブラヤッホー!」


制服のリボンで、首ぎゅーってしておきました。
ちゃこの最愛の師匠は、どうしようもなく優しいエロ馬鹿です。



「ししょ。」
「んー?」
「…ダイスキ。」
「知ってんよ、そんなこと。」



今夜は久しぶりに、師匠のギターと子守唄で眠れる。
きっと怖い夢も、悲しい夢も見ない。

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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
御言葉
[09/19 BlackMan]
[09/02 香住]
[08/27 健斗]
[08/03 あー]
[08/01 香住]

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