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鷹栖さんはお仕事お疲れで、早く寝てしまって
師匠は今夜はバンドの練習で、仲間と一緒で
こりすちゃん先輩は、寮の消灯時間過ぎてて
黒ちゃんは、彼女と一緒で。

こんな風に色んな偶然や必然が重なると
まるで自分が、世界でひとりぽっちに思えてくる。

名前を呼んで欲しかった。
でないと自分が、ココニイルのか分からなくなるから。

別に死ぬ事が怖くなったんじゃない。
怖いのは、自分が必要とされないこと。
この世でも、あの世でも、其れは同じこと。



携帯のアドレス帖を開く、映し出されたのは僅か数人分の名前。
ほとんど無意識に、通話ボタンを押していた。


 プルルル


冷たい電子音が耳に入ってきてやっと其れに気付いた。
あわてて携帯を閉じた。


都合のいい時に、都合のいいお願いをするために
相手の都合お構いなしで呼び出す。

だから携帯なんてキライ。
だから自分なんてキライ。


「…サイテー、でス。」



空を見上げる。
そこには星ひとつない、漆黒の闇。

今宵は星すらも、返事をしてはくれない。


ベランダから身を乗り出して手を伸ばしても、届かない事くらい知っている。
どんなに願っても手に入らないものがあるんだって事くらい、知ってる。

それなのに、手を伸ばさずにいられないのは、どうしてなんだろう――。


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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
御言葉
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