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有寺さんが最初に、おめでとうって言ってくれました。
千晴様が『とんだ変態』だって言いつつプレゼントをくれました。
コッテリ忘れてたんですけども今日、チャコの誕生日でした、16歳です。
呼び出しがあって、師匠のお家にいったら
雅臣家と小羽都家の全員が、飾り付けされたお部屋で迎えてくれて
みんなでお祝いしてくれました。
真っ白い生クリームのケーキ。
「願い事しながら消せよ。」
師匠に言われて、お願い事をしながらロウソクの火を吹き消しました。
たくさんのプレゼント、笑顔、お祝いの言葉。
こんな誕生日は初めてでした。
嬉しいのに、何故だか涙が止まらなくなって
子供みたいに、わんわん泣いてしまいました。
みんなが抱きしめてくれました。
『生まれてきてくれて ありがとう』
チャコはこの言葉を、一生忘れません。
チャコの周りの人は、どうしてみんなあったかいのでしょか。
チャコはこんな、どうしようもない子なのに…。
みんな本当に、ありがとありがとございました。
みんなダイスキです。
願い事、叶うといいです。
『ダイスキなみんなが しあわせになれますように』
千晴様が『とんだ変態』だって言いつつプレゼントをくれました。
コッテリ忘れてたんですけども今日、チャコの誕生日でした、16歳です。
呼び出しがあって、師匠のお家にいったら
雅臣家と小羽都家の全員が、飾り付けされたお部屋で迎えてくれて
みんなでお祝いしてくれました。
真っ白い生クリームのケーキ。
「願い事しながら消せよ。」
師匠に言われて、お願い事をしながらロウソクの火を吹き消しました。
たくさんのプレゼント、笑顔、お祝いの言葉。
こんな誕生日は初めてでした。
嬉しいのに、何故だか涙が止まらなくなって
子供みたいに、わんわん泣いてしまいました。
みんなが抱きしめてくれました。
『生まれてきてくれて ありがとう』
チャコはこの言葉を、一生忘れません。
チャコの周りの人は、どうしてみんなあったかいのでしょか。
チャコはこんな、どうしようもない子なのに…。
みんな本当に、ありがとありがとございました。
みんなダイスキです。
願い事、叶うといいです。
『ダイスキなみんなが しあわせになれますように』
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それは数ヶ月前の話。
土曜の夜遅く、携帯が鳴りました。
慶お兄ちゃんの弟の黒ちゃんから。
受話器から聞こえる声は、やっぱり慶お兄ちゃんに似ていました。
「明日、暇?バイト?」
「ヒマですけど、どうかしましたか?」
「迎えに行くから。」
「はい、わかりまし、た…??」
日曜、夕方に黒ちゃんはやってきました。
手には大きめの茶封筒を持って。
「久しぶり、元気そうだね。」
「黒ちゃんは…なんか元気なさそうです。
「いや、元気だって。」
普段ポーカーフェイスな黒ちゃんがパッと見で解っちゃうほどなのは
本当に珍しいことでした。
座ってもらってお茶を出して、最近起こった話とかをしていると
ふいに黒ちゃんが黙って、それから茶封筒をチャコに渡してくれました。
開けてみなさいと言われて封筒の中身を見ると…。
「これは……ドレス、ですか?」
「兄貴が昔、オーダーメイドでウエディングドレス作ってる知り合いに
託してたデザイン画。誰がデザインしたか、分かるよな?」
「はい…慶お兄ちゃんです、だってコルセット、鈴蘭柄です。」
それは、チャコが一番好きな花。
慶お兄ちゃんがチャコには鈴蘭がぴったりだって言ってくれたから。
「託されたままになって仕立て料も受け取ってるけど作りますかって
先週、俺宛に連絡があったんだよ。
迷ったんだ、随分。千夜呼に本当に渡すべきなのかどうか…。」
黒ちゃんは目を伏せた。
デザイン画のスミには懐かしい筆跡。
- 僕の小さなお嫁さんに 心から愛を込めて -
「サイゴの、最高の、贈り物です。」
「……辛くはない?」
「嬉しいです。」
「どうしたい?」
「作ってもらえますか…このドレス。」
「ああ、勿論。」
「ただ、ひとつだけ。」
「うん?」
「黒い生地で作ってください、ぜんぶ。」
「それでいいんだな?」
「はい。」
そうして出来上がったこのドレスは
ウエディングドレスでモーニングドレス。
チャコは泣きません、泣いたりしません。
だって悲しいことなんか何もないのです。
世界で一着だけの、素敵な素敵なチャコだけのドレスが
天国から届いたのですから……。
そうでスよね、慶お兄ちゃん…?
土曜の夜遅く、携帯が鳴りました。
慶お兄ちゃんの弟の黒ちゃんから。
受話器から聞こえる声は、やっぱり慶お兄ちゃんに似ていました。
「明日、暇?バイト?」
「ヒマですけど、どうかしましたか?」
「迎えに行くから。」
「はい、わかりまし、た…??」
日曜、夕方に黒ちゃんはやってきました。
手には大きめの茶封筒を持って。
「久しぶり、元気そうだね。」
「黒ちゃんは…なんか元気なさそうです。
「いや、元気だって。」
普段ポーカーフェイスな黒ちゃんがパッと見で解っちゃうほどなのは
本当に珍しいことでした。
座ってもらってお茶を出して、最近起こった話とかをしていると
ふいに黒ちゃんが黙って、それから茶封筒をチャコに渡してくれました。
開けてみなさいと言われて封筒の中身を見ると…。
「これは……ドレス、ですか?」
「兄貴が昔、オーダーメイドでウエディングドレス作ってる知り合いに
託してたデザイン画。誰がデザインしたか、分かるよな?」
「はい…慶お兄ちゃんです、だってコルセット、鈴蘭柄です。」
それは、チャコが一番好きな花。
慶お兄ちゃんがチャコには鈴蘭がぴったりだって言ってくれたから。
「託されたままになって仕立て料も受け取ってるけど作りますかって
先週、俺宛に連絡があったんだよ。
迷ったんだ、随分。千夜呼に本当に渡すべきなのかどうか…。」
黒ちゃんは目を伏せた。
デザイン画のスミには懐かしい筆跡。
- 僕の小さなお嫁さんに 心から愛を込めて -
「サイゴの、最高の、贈り物です。」
「……辛くはない?」
「嬉しいです。」
「どうしたい?」
「作ってもらえますか…このドレス。」
「ああ、勿論。」
「ただ、ひとつだけ。」
「うん?」
「黒い生地で作ってください、ぜんぶ。」
「それでいいんだな?」
「はい。」
そうして出来上がったこのドレスは
ウエディングドレスでモーニングドレス。
チャコは泣きません、泣いたりしません。
だって悲しいことなんか何もないのです。
世界で一着だけの、素敵な素敵なチャコだけのドレスが
天国から届いたのですから……。
そうでスよね、慶お兄ちゃん…?
師匠がガッコさぼって、注文してたギター引取りに行くって言うので
チャコも一緒についていくことにしました。
どうせ教室にいたって寝てるだけでスし。
しかし師匠は何本ギター買えば気がすむんでしょか。
置き場所ないからってチャコの部屋に置いていくから
だんだんチャコの部屋がパンクっぽくなってきちゃったでスよ。
畳敷きなのに…。
楽器屋さんはおっきいショッピングセンターにありました。
前にロディー買ってもらったトコです。
ついでなので服屋とかもブラブラ見て回りました。
「ししょ!見てください、このパンツ超面積少ないでス!エコですか?!」
「ばっ!俺様を下着売り場に引きずり込むな!!」
「こゆのって勝負下着っていうんですよね、女子は持ってないとダメらしいです。」
「んじゃ買えよ。」
「そんなお金ないです、師匠が買ってください。」
「おーーー俺様と勝負するためだっつんなら買ってやってもいいぜ?」
「あっはっはっは、師匠、冗談は顔だけにしてくださいヨー★」
「はっはっはっは……表出ろこのアホ弟子ーーーーー!!!」
イグニッションしかける師匠を止めるの大変でした。
イグニッションしちゃったらチャコのほうが強いのに…(ぼそ)
まったく、手のかかる師匠です。
チャコも一緒についていくことにしました。
どうせ教室にいたって寝てるだけでスし。
しかし師匠は何本ギター買えば気がすむんでしょか。
置き場所ないからってチャコの部屋に置いていくから
だんだんチャコの部屋がパンクっぽくなってきちゃったでスよ。
畳敷きなのに…。
楽器屋さんはおっきいショッピングセンターにありました。
前にロディー買ってもらったトコです。
ついでなので服屋とかもブラブラ見て回りました。
「ししょ!見てください、このパンツ超面積少ないでス!エコですか?!」
「ばっ!俺様を下着売り場に引きずり込むな!!」
「こゆのって勝負下着っていうんですよね、女子は持ってないとダメらしいです。」
「んじゃ買えよ。」
「そんなお金ないです、師匠が買ってください。」
「おーーー俺様と勝負するためだっつんなら買ってやってもいいぜ?」
「あっはっはっは、師匠、冗談は顔だけにしてくださいヨー★」
「はっはっはっは……表出ろこのアホ弟子ーーーーー!!!」
イグニッションしかける師匠を止めるの大変でした。
イグニッションしちゃったらチャコのほうが強いのに…(ぼそ)
まったく、手のかかる師匠です。
好きな気持ちをスナオに言葉に出して言えるヒトが羨ましい。
だってワタシは言えない。
口に出してしまったら、その気持ちが膨らんで大きくなってしまって
より好きになってしまうから。
そうなってしまった後、対象を失ってしまった時に
どんな地獄が待っているか、知ってしまったから…。
怖いのよ。
「ねぇ虎太郎。」
「あ?」
「ワタシのことスキ?」
「おう、好きだぜ。」
「…そう。」
「なんだよ突然。」
「別に。」
「ふーん、お前は俺様のこと好きか?」
ベッドに寝転がっていた虎太郎が起き上がる。
金色の髪がサラサラ流れた。
「……スキよ。」
「おー意外だな、てっきり嫌いっつーんだろうと思ってたのに。」
「だって、もう手遅れだもの。」
「何が。」
「膨らみきった後だってことよ。」
「は?意味わっかんねー。」
「わからなくて結構。」
小さく笑って、虎太郎はギターを爪弾く。
嗚呼、その曲、ワタシ知っている。
いつか死んだあのアーティストが、サイゴに作った…ラブソング……。
だってワタシは言えない。
口に出してしまったら、その気持ちが膨らんで大きくなってしまって
より好きになってしまうから。
そうなってしまった後、対象を失ってしまった時に
どんな地獄が待っているか、知ってしまったから…。
怖いのよ。
「ねぇ虎太郎。」
「あ?」
「ワタシのことスキ?」
「おう、好きだぜ。」
「…そう。」
「なんだよ突然。」
「別に。」
「ふーん、お前は俺様のこと好きか?」
ベッドに寝転がっていた虎太郎が起き上がる。
金色の髪がサラサラ流れた。
「……スキよ。」
「おー意外だな、てっきり嫌いっつーんだろうと思ってたのに。」
「だって、もう手遅れだもの。」
「何が。」
「膨らみきった後だってことよ。」
「は?意味わっかんねー。」
「わからなくて結構。」
小さく笑って、虎太郎はギターを爪弾く。
嗚呼、その曲、ワタシ知っている。
いつか死んだあのアーティストが、サイゴに作った…ラブソング……。
御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録