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「うっし、一回家帰ってからガッコ行くわ。」
「珍しいですね師匠、チャコんち泊まったらたいがい次の日お休みするのに。」
「あー今日は里栖に急ぎで返さねーといけねぇもんあんだよ。」
「なるほどー、こりすちゃん先輩怒ると怖いですからねぇ。」
「そそ、なんで約束まもらないんだべさ虎ちゃんのおたんちーん!ってな。
……そういや、里栖はいつも訛ってっけど、千夜呼は標準語だよな。」
「あはー、通じませんから岩手の言葉。」
「え、どんなんだよ。」
「…あばえ、おすずかに、おぎゃありらんせ師匠。」
「"師匠"以外これっぽっちもわかんねー!」
「さようなら、気をつけて帰ってくださいね師匠、って言ったでスよ。」
「すげぇな岩手!行って見たくなったぜ!」
「……チャコは行きたくないでスけどね。」
「ん?」
「なんでも、ほら早くしないとチコクしますよー。」
「おう、んじゃガッコでなー!」
「珍しいですね師匠、チャコんち泊まったらたいがい次の日お休みするのに。」
「あー今日は里栖に急ぎで返さねーといけねぇもんあんだよ。」
「なるほどー、こりすちゃん先輩怒ると怖いですからねぇ。」
「そそ、なんで約束まもらないんだべさ虎ちゃんのおたんちーん!ってな。
……そういや、里栖はいつも訛ってっけど、千夜呼は標準語だよな。」
「あはー、通じませんから岩手の言葉。」
「え、どんなんだよ。」
「…あばえ、おすずかに、おぎゃありらんせ師匠。」
「"師匠"以外これっぽっちもわかんねー!」
「さようなら、気をつけて帰ってくださいね師匠、って言ったでスよ。」
「すげぇな岩手!行って見たくなったぜ!」
「……チャコは行きたくないでスけどね。」
「ん?」
「なんでも、ほら早くしないとチコクしますよー。」
「おう、んじゃガッコでなー!」
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夜11時、バイトが終わり帰宅する途中に公園があった。
小さな児童公園、ブランコと滑り台と砂場、ただそれだけ。
虎太郎はふと、自転車を停めた。
以前ここで千夜呼を見た。
初めてここで、千夜呼の本当の闇を、狂気を見た。
真っ暗な空を仰いで、ケタケタと笑い続けていた彼女を
虎太郎は初めて怖いと思ってしまったのだ。
彼女自身がではなく、抱えている巨大な闇が、だ。
キィ、キィ
ブランコの音が聞こえた。
背を向けていたけれど、ひと目で千夜呼だと分かった。
「千夜呼!」
名を呼んでみたけれど、反応がない。
彼女であることは間違いないのに。
もう一度名を呼んだが、やはり無反応。
虎太郎は自転車から降り、千夜呼に近づいた。
「おい、何して…。」
そう言って、彼女の細い肩に手を置いたその時だった。
「いやぁああああああああああああ!!!!」
絹を裂いたような、悲痛な、悲壮な悲鳴。
千夜呼は這う様に逃げ出し、木の下で頭を抱え小さくうずくまり
ガタガタと震えだした。
見開かれた瞳の色は濁り、大粒の涙が溢れていた。
まるで世界の終わりでも見たかのような、恐怖と絶望の匂いがした…。
虎太郎には何が起こったのか分かるはずもない。
ふと、千夜呼に触れた手のひらを見つめる。
自分のせいなのか?と…。
「触らないで…ワタシにさわらないでさわらないでさわらないで…!!」
呪文のように繰り返される言葉。
いつもは必要以上に自分に触れてくるのに。
知っている、千夜呼がぬくもりを人一倍欲していることを。
抱きしめられるのが好きなことを。
撫でられるのが好きなことを。
人が、好きなことを。
だから虎太郎だけは、この言葉が拒絶の意ではないことを知っていた。
一度味わったぬくもりを失う事は恐怖。
どんなに心地よいか、幸せか知ってしまったから。
虐待され今の家で初めて愛情を知った虎太郎は、その愛情を失うことを恐れていた。
一度全ての愛するものを奪われた千夜呼は、それが繰り返されることに怯えていた。
二人は似ていた、だから引き合ったのだ。
「来い千夜呼、なんも怖くねぇから。」
虎太郎はまるで、怯えた捨て犬に手を差し伸べるように声をかける。
自分からは近づかず、その場にしゃがんで千夜呼に向かい手を広げた。
やがて、ゆっくり千夜呼の瞳に黄金色が戻ってきた。
「し……しょ……?」
「おう。」
指先が触れる。
僅かな体温が伝わる。
「ししょ……。」
「なんだ。」
「師匠……ごめんなさい。」
「アホ、何あやまってんだ。」
千夜呼は虎太郎の胸に全てを預け寄り添い、鼓動を感じていた。
「お帰り。」
「……はい……ただいまでス…。」
「寒ぃから早く帰ろうぜ、うち来い。オヤジも母ちゃんもまだ起きてっから。」
「はい……おうち…、おうち。」
彼女は自分の住む部屋を、家だとは思っていない。
ただ、寝るための場所、それだけだと思っていた。
ぬくもりのない淋しい部屋は、外と何の変わりもないのだから。
千夜呼は何度も呟く、雅臣家を"おうち"、と…。
虎太郎から見た彼女は子供だ、幼い子供なのだ。
そして昔の、自分だ。
「…おむかえきてくれて、ありがとありがとでス…。」
「まったく、手のかかる弟子だぜ。」
「…きらい、なりましたですか?」
「アホ、んなわけねーだろ、アホ。」
欲しいものは?と聞かれたら返答に困ってしまうけれど
なくしたくない大事なものは?と聞かれたら即答できる。
いつだって、答えられる……。
小さな児童公園、ブランコと滑り台と砂場、ただそれだけ。
虎太郎はふと、自転車を停めた。
以前ここで千夜呼を見た。
初めてここで、千夜呼の本当の闇を、狂気を見た。
真っ暗な空を仰いで、ケタケタと笑い続けていた彼女を
虎太郎は初めて怖いと思ってしまったのだ。
彼女自身がではなく、抱えている巨大な闇が、だ。
キィ、キィ
ブランコの音が聞こえた。
背を向けていたけれど、ひと目で千夜呼だと分かった。
「千夜呼!」
名を呼んでみたけれど、反応がない。
彼女であることは間違いないのに。
もう一度名を呼んだが、やはり無反応。
虎太郎は自転車から降り、千夜呼に近づいた。
「おい、何して…。」
そう言って、彼女の細い肩に手を置いたその時だった。
「いやぁああああああああああああ!!!!」
絹を裂いたような、悲痛な、悲壮な悲鳴。
千夜呼は這う様に逃げ出し、木の下で頭を抱え小さくうずくまり
ガタガタと震えだした。
見開かれた瞳の色は濁り、大粒の涙が溢れていた。
まるで世界の終わりでも見たかのような、恐怖と絶望の匂いがした…。
虎太郎には何が起こったのか分かるはずもない。
ふと、千夜呼に触れた手のひらを見つめる。
自分のせいなのか?と…。
「触らないで…ワタシにさわらないでさわらないでさわらないで…!!」
呪文のように繰り返される言葉。
いつもは必要以上に自分に触れてくるのに。
知っている、千夜呼がぬくもりを人一倍欲していることを。
抱きしめられるのが好きなことを。
撫でられるのが好きなことを。
人が、好きなことを。
だから虎太郎だけは、この言葉が拒絶の意ではないことを知っていた。
一度味わったぬくもりを失う事は恐怖。
どんなに心地よいか、幸せか知ってしまったから。
虐待され今の家で初めて愛情を知った虎太郎は、その愛情を失うことを恐れていた。
一度全ての愛するものを奪われた千夜呼は、それが繰り返されることに怯えていた。
二人は似ていた、だから引き合ったのだ。
「来い千夜呼、なんも怖くねぇから。」
虎太郎はまるで、怯えた捨て犬に手を差し伸べるように声をかける。
自分からは近づかず、その場にしゃがんで千夜呼に向かい手を広げた。
やがて、ゆっくり千夜呼の瞳に黄金色が戻ってきた。
「し……しょ……?」
「おう。」
指先が触れる。
僅かな体温が伝わる。
「ししょ……。」
「なんだ。」
「師匠……ごめんなさい。」
「アホ、何あやまってんだ。」
千夜呼は虎太郎の胸に全てを預け寄り添い、鼓動を感じていた。
「お帰り。」
「……はい……ただいまでス…。」
「寒ぃから早く帰ろうぜ、うち来い。オヤジも母ちゃんもまだ起きてっから。」
「はい……おうち…、おうち。」
彼女は自分の住む部屋を、家だとは思っていない。
ただ、寝るための場所、それだけだと思っていた。
ぬくもりのない淋しい部屋は、外と何の変わりもないのだから。
千夜呼は何度も呟く、雅臣家を"おうち"、と…。
虎太郎から見た彼女は子供だ、幼い子供なのだ。
そして昔の、自分だ。
「…おむかえきてくれて、ありがとありがとでス…。」
「まったく、手のかかる弟子だぜ。」
「…きらい、なりましたですか?」
「アホ、んなわけねーだろ、アホ。」
欲しいものは?と聞かれたら返答に困ってしまうけれど
なくしたくない大事なものは?と聞かれたら即答できる。
いつだって、答えられる……。
今日は待ちに待った日曜でした。
くふー鷹栖さんの仕事お休みデー、つまり約束のデート日でス!
おめかししてると、携帯が鳴りました。
表で待ってる、そんな何気ない一言に胸キュンするチャコ。
急いで家を出ると、前に黒い車が留まっていました。
運転席からよっ、と手をあげる鷹栖さん。
相変わらずのくわえ煙草、初めて見るサングラス。
黒いシャツから覗く胸元は大人の色気ムンムンでス、ぎゃひー(変態)
助手席から、運転する姿を凝視していたら
「……なんでヨダレたらしてるんだべさ…。」って。
まったく気付きませんでした!!(じゅるり)
しかしやっぱり鷹栖さんとこりすちゃん先輩は話し方そっくりです。
親子だからだとは思いますけど、方言の具合とか。
自衛隊員モードの時は標準語で喋ってるらしいのでスが、チャコは
北海道弁の鷹栖さんスキなので、このまんまでいいと思います。
それから二人で遊園地に行きました。
「うちの姫さん、絶叫系ダメなんで一緒に来てもつまんないんだわ。
千夜はいけるんでしょや、あぁいうの。」
まるで子供みたいに鷹栖さんは目を輝かせていました、キュン。
それからたくさん乗り物に乗って、焼肉屋でお肉食べて、夜のドライブに。
夜景のきれいな場所に連れて行ってもらいました。
「鷹栖さん…これって…。」
「うん?」
「見ろ、ヒトがゴミのようだ!っていうんでスよねっ!」
「…おめーがデートだ言うからこんなガラにもねーとこ連れてきてやったのに
これじゃムードもクソもねーべや!この肉娘!!」
怒られました、でへ。
じゃあデートらしくチューとかしまスか?って聞いたら
口をつままれました、チャコ38歳の喜ぶツボがわかりません!
とにかくとっても楽しかったんです。
チャコあんまりお友達もいないでスし、お金もないでスし
こんな風に遊ぶこと滅多になかったので、とっても嬉しかったです。
ご馳走様でした、鷹栖さん。
素敵な日曜日を、ありがとありがとでした。
くふー鷹栖さんの仕事お休みデー、つまり約束のデート日でス!
おめかししてると、携帯が鳴りました。
表で待ってる、そんな何気ない一言に胸キュンするチャコ。
急いで家を出ると、前に黒い車が留まっていました。
運転席からよっ、と手をあげる鷹栖さん。
相変わらずのくわえ煙草、初めて見るサングラス。
黒いシャツから覗く胸元は大人の色気ムンムンでス、ぎゃひー(変態)
助手席から、運転する姿を凝視していたら
「……なんでヨダレたらしてるんだべさ…。」って。
まったく気付きませんでした!!(じゅるり)
しかしやっぱり鷹栖さんとこりすちゃん先輩は話し方そっくりです。
親子だからだとは思いますけど、方言の具合とか。
自衛隊員モードの時は標準語で喋ってるらしいのでスが、チャコは
北海道弁の鷹栖さんスキなので、このまんまでいいと思います。
それから二人で遊園地に行きました。
「うちの姫さん、絶叫系ダメなんで一緒に来てもつまんないんだわ。
千夜はいけるんでしょや、あぁいうの。」
まるで子供みたいに鷹栖さんは目を輝かせていました、キュン。
それからたくさん乗り物に乗って、焼肉屋でお肉食べて、夜のドライブに。
夜景のきれいな場所に連れて行ってもらいました。
「鷹栖さん…これって…。」
「うん?」
「見ろ、ヒトがゴミのようだ!っていうんでスよねっ!」
「…おめーがデートだ言うからこんなガラにもねーとこ連れてきてやったのに
これじゃムードもクソもねーべや!この肉娘!!」
怒られました、でへ。
じゃあデートらしくチューとかしまスか?って聞いたら
口をつままれました、チャコ38歳の喜ぶツボがわかりません!
とにかくとっても楽しかったんです。
チャコあんまりお友達もいないでスし、お金もないでスし
こんな風に遊ぶこと滅多になかったので、とっても嬉しかったです。
ご馳走様でした、鷹栖さん。
素敵な日曜日を、ありがとありがとでした。
御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録