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海、波が穏やかで、とってもキレイでした。
宇気比さんと一緒に裸足になって海に入ったら
まだちょっと水は冷たかったけど、とてもとても気持ちよかったです。
もっと入りたくて、スカートをたくしあげようとしたら
慌てて止められました、残念です。
ゆらゆら揺れる水面。
こっちとあっち、どちらが水の中のか、一瞬わからなくなります。
ヒトが海から生まれたのなら、還るべきところも海のはずです。
「チャコ、スケルトンになれなかったら、お魚になりたいです。
海に、還れたらいいのに…。」
「んな事言わんでも、ぜってー還れるよ。
空と山と海、全部どっかで繋がっとるんだでなぁ。」
複雑そうな顔で微笑った宇気比さんの顔が
なんだかとても、遠く見えました。
「繋がって、る……みんな?
ホントに還れる……ワタシ、でも?」
だめ、きっとワタシは、還れない。
みんなの所へなんて、いけない。
慶お兄ちゃんを殺したのは、ワタシ。
許さない、許せない、許されない。
だからきっと、ずっと、独り……。
視界が紅く染まって、ぐにゃりと歪んだ。
闇に………………飲まれる。
ふいにバランスを崩し、ワタシは前のめりに倒れた。
「うわ…!?ちゃこさん、大丈夫かや!?」
そこが海でよかった。
冷たい水が、ワタシを引き戻してくれる。
闇に、食い殺される前に……。
「……びしょびしょです……着替え持ってくればよかったでス。」
ずぶ濡れになったついでに、海にぷかぷか浮いてみました。
魚というより、クラゲの気分。
夏が近くなって、ずいぶん日が長くなりました。
もう夕方だというのに、空はまだ明るくて
お陰で海も、昼の海の顔のまま。
「今日、来て良かったです。
連れて来てくれて、ありがとありがとです。」
「良かった、誘った甲斐もあったっちゅーもんだわ。
と、立てっかい?」
差し伸べられた大きな手を取るのに、一瞬ためらってしまう。
この手に、ワタシが触れていいのだろうかと。
このキレイな手を、汚してしまうんじゃないだろうかと………。
けれどチャコは、その手を、取ってしまったのです。
「よ…と、怪我がねぇみてーで良かった。」
「はい、ありがと、です。」
でもその手が、自分の冷たい手と違って
あまりにあったかい事に気づいて
すぐに離してしまいました。
あたたかいものはスキ。
誰かの作ったご飯、お風呂、ヒトのぬくもり……。
だけどスキだから、つい甘えてしまいそうで
すがってしまいそうで…コワイ。
「信じて、みたい…宇気比さんのコトバ。
還れるって………サイゴに一つだけ。」
「…ん、ありがとな、信じてくれて。」
陽を浴びた宇気比さんの微笑みは
泣きたくなるくらい、あたたかかったのです……。
宇気比さんと一緒に裸足になって海に入ったら
まだちょっと水は冷たかったけど、とてもとても気持ちよかったです。
もっと入りたくて、スカートをたくしあげようとしたら
慌てて止められました、残念です。
ゆらゆら揺れる水面。
こっちとあっち、どちらが水の中のか、一瞬わからなくなります。
ヒトが海から生まれたのなら、還るべきところも海のはずです。
「チャコ、スケルトンになれなかったら、お魚になりたいです。
海に、還れたらいいのに…。」
「んな事言わんでも、ぜってー還れるよ。
空と山と海、全部どっかで繋がっとるんだでなぁ。」
複雑そうな顔で微笑った宇気比さんの顔が
なんだかとても、遠く見えました。
「繋がって、る……みんな?
ホントに還れる……ワタシ、でも?」
だめ、きっとワタシは、還れない。
みんなの所へなんて、いけない。
慶お兄ちゃんを殺したのは、ワタシ。
許さない、許せない、許されない。
だからきっと、ずっと、独り……。
視界が紅く染まって、ぐにゃりと歪んだ。
闇に………………飲まれる。
ふいにバランスを崩し、ワタシは前のめりに倒れた。
「うわ…!?ちゃこさん、大丈夫かや!?」
そこが海でよかった。
冷たい水が、ワタシを引き戻してくれる。
闇に、食い殺される前に……。
「……びしょびしょです……着替え持ってくればよかったでス。」
ずぶ濡れになったついでに、海にぷかぷか浮いてみました。
魚というより、クラゲの気分。
夏が近くなって、ずいぶん日が長くなりました。
もう夕方だというのに、空はまだ明るくて
お陰で海も、昼の海の顔のまま。
「今日、来て良かったです。
連れて来てくれて、ありがとありがとです。」
「良かった、誘った甲斐もあったっちゅーもんだわ。
と、立てっかい?」
差し伸べられた大きな手を取るのに、一瞬ためらってしまう。
この手に、ワタシが触れていいのだろうかと。
このキレイな手を、汚してしまうんじゃないだろうかと………。
けれどチャコは、その手を、取ってしまったのです。
「よ…と、怪我がねぇみてーで良かった。」
「はい、ありがと、です。」
でもその手が、自分の冷たい手と違って
あまりにあったかい事に気づいて
すぐに離してしまいました。
あたたかいものはスキ。
誰かの作ったご飯、お風呂、ヒトのぬくもり……。
だけどスキだから、つい甘えてしまいそうで
すがってしまいそうで…コワイ。
「信じて、みたい…宇気比さんのコトバ。
還れるって………サイゴに一つだけ。」
「…ん、ありがとな、信じてくれて。」
陽を浴びた宇気比さんの微笑みは
泣きたくなるくらい、あたたかかったのです……。
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録