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気付くとキレイな白い家にいて、そこには父と母と兄と
そして慶お兄ちゃんがいて、ワタシはそこで笑っていた。
温かな日差しが窓からキラキラ降り注いでいた。
これは、現実?
ううん…そんなはず、ない。
これは、夢だ。
これは、叶わなかった、無くした幸せだ…。
眩しくて思わず目を閉じて仕舞った。
きっと次に目を開いた時には、消えて仕舞うとわかっていたのに…。
「…呼、千夜呼!しっかりしろ!!」
「……………。」
「あーー良かった、大丈夫か?!頭とか打ってねぇか?!」
「………寝てた、だけ。」
「おま………GTん中で寝るなんてアホにも程があるぞ!アホ!」
「…虎太郎、五月蝿い。」
「なんだとーー!!……ってあれ、黒千夜呼?」
いい加減ワタシを変な名前で呼ぶなと思ったけれど
面倒だったので放って置いた、あながち間違ってもいないし。
ワタシは千夜呼、他の誰でもない、だから他の名前もない。
「それで、なんでここにいるの?」
「お前がいつまで経っても帰ってこねーから探しにき…うわっ!」
虎太郎の腕をぐいっと引き寄せ、腕時計を見る。
午前9時半だ。
「学校は。」
「それどころじゃねーだろ。」
「バカね、放って置けばいいものを。」
「ほっとけるか、どーせ俺様くれーしか助けに来る奴いねーじゃんよ。」
「それはまぁ……残念ながら、そのようね。」
自嘲気味に笑って見せると、虎太郎はしまったという顔をして慌てた。
ちょっとした冗談のつもりで軽く言ったんだろう。
事実だし、気にすることはないのに。
「やっぱ、俺様じゃねぇ誰か待ってた? 俺様こねぇ方が良かった?」
「………別に。」
別に誰かに迎えに来てほしくて、ココにいた訳じゃない。
誰かに見つけてほしくて、ココにいた訳じゃない。
見つけてほしいなら、もっと解りやすい場所にいたはずでしょう?
そうに決まってる……。
どうやらゴーストにも、ワタシは見つからなかったようだ。
運がいいというか、なんと言うか…。
「帰ろーぜ。」
「帰る………どこへ?」
「家に決まってんだろ、他にどこがあんだ?」
そう言われれば、そうなんだけれど。
虎太郎はワタシの腕を引っ張って立たせると、制服の埃を払った。
「余計なことしないで、触らないで。」
「はいはいっと。あーもー俺様走りまわって超疲れたし腹減ったし!
今日は学校サボって家で飯食って昼ドラとか見てダラダラしよーぜ!」
「……あそこはワタシの家であって、虎太郎の家じゃないんだけど?」
「あーあー黒千夜呼は細けぇなぁ。いいじゃんよ、家族みてぇなもんだろ?」
家族………?
相変わらずよく解らないことを言う。
家族って、そもそも何?
どんなもの?
じっちゃんと二人きり以外の家族を、ワタシは知らない。
虎太郎は養子だ、あの両親とは血は繋がっていない。
血で繋がることが家族であることではないのなら
何で繋がればいいの?
ココロ、でス。
心……それならば、きっとワタシには家族はもてない。
繋がるための心を、持ち合わせていない。
独りでいたいの、なくす物など何も持っていたくないの。
荷物は、軽いほうが、いい……。
「虎太郎、アナタは学校行きなさい。」
「あ?いいよもー遅刻だし。」
「…誰が学費払ってると思ってるの?」
「ぐっ!!!」
「ワタシはバイトに行くから。」
親の話を出されると虎太郎は逆らえないのをよく知っている。
渋りつつもヨンロク号を出ると、太陽のように笑って言った。
「んじゃ、行ってきます!」
「……。」
昨日の晩のように、何も答えないワタシに
虎太郎はもう一度、行ってきますと言った。
「…………行ってらっしゃいでス、師匠。」
チャコの声を聞いて、師匠は一瞬驚いて、それから大きく手を振って走っていきました。
人を送り出す言葉は、本当は好きじゃない。
だってもしかしたら、もう帰ってこないかもしれないから。
二度と会えなくなるかもしれないから…。
そして慶お兄ちゃんがいて、ワタシはそこで笑っていた。
温かな日差しが窓からキラキラ降り注いでいた。
これは、現実?
ううん…そんなはず、ない。
これは、夢だ。
これは、叶わなかった、無くした幸せだ…。
眩しくて思わず目を閉じて仕舞った。
きっと次に目を開いた時には、消えて仕舞うとわかっていたのに…。
「…呼、千夜呼!しっかりしろ!!」
「……………。」
「あーー良かった、大丈夫か?!頭とか打ってねぇか?!」
「………寝てた、だけ。」
「おま………GTん中で寝るなんてアホにも程があるぞ!アホ!」
「…虎太郎、五月蝿い。」
「なんだとーー!!……ってあれ、黒千夜呼?」
いい加減ワタシを変な名前で呼ぶなと思ったけれど
面倒だったので放って置いた、あながち間違ってもいないし。
ワタシは千夜呼、他の誰でもない、だから他の名前もない。
「それで、なんでここにいるの?」
「お前がいつまで経っても帰ってこねーから探しにき…うわっ!」
虎太郎の腕をぐいっと引き寄せ、腕時計を見る。
午前9時半だ。
「学校は。」
「それどころじゃねーだろ。」
「バカね、放って置けばいいものを。」
「ほっとけるか、どーせ俺様くれーしか助けに来る奴いねーじゃんよ。」
「それはまぁ……残念ながら、そのようね。」
自嘲気味に笑って見せると、虎太郎はしまったという顔をして慌てた。
ちょっとした冗談のつもりで軽く言ったんだろう。
事実だし、気にすることはないのに。
「やっぱ、俺様じゃねぇ誰か待ってた? 俺様こねぇ方が良かった?」
「………別に。」
別に誰かに迎えに来てほしくて、ココにいた訳じゃない。
誰かに見つけてほしくて、ココにいた訳じゃない。
見つけてほしいなら、もっと解りやすい場所にいたはずでしょう?
そうに決まってる……。
どうやらゴーストにも、ワタシは見つからなかったようだ。
運がいいというか、なんと言うか…。
「帰ろーぜ。」
「帰る………どこへ?」
「家に決まってんだろ、他にどこがあんだ?」
そう言われれば、そうなんだけれど。
虎太郎はワタシの腕を引っ張って立たせると、制服の埃を払った。
「余計なことしないで、触らないで。」
「はいはいっと。あーもー俺様走りまわって超疲れたし腹減ったし!
今日は学校サボって家で飯食って昼ドラとか見てダラダラしよーぜ!」
「……あそこはワタシの家であって、虎太郎の家じゃないんだけど?」
「あーあー黒千夜呼は細けぇなぁ。いいじゃんよ、家族みてぇなもんだろ?」
家族………?
相変わらずよく解らないことを言う。
家族って、そもそも何?
どんなもの?
じっちゃんと二人きり以外の家族を、ワタシは知らない。
虎太郎は養子だ、あの両親とは血は繋がっていない。
血で繋がることが家族であることではないのなら
何で繋がればいいの?
ココロ、でス。
心……それならば、きっとワタシには家族はもてない。
繋がるための心を、持ち合わせていない。
独りでいたいの、なくす物など何も持っていたくないの。
荷物は、軽いほうが、いい……。
「虎太郎、アナタは学校行きなさい。」
「あ?いいよもー遅刻だし。」
「…誰が学費払ってると思ってるの?」
「ぐっ!!!」
「ワタシはバイトに行くから。」
親の話を出されると虎太郎は逆らえないのをよく知っている。
渋りつつもヨンロク号を出ると、太陽のように笑って言った。
「んじゃ、行ってきます!」
「……。」
昨日の晩のように、何も答えないワタシに
虎太郎はもう一度、行ってきますと言った。
「…………行ってらっしゃいでス、師匠。」
チャコの声を聞いて、師匠は一瞬驚いて、それから大きく手を振って走っていきました。
人を送り出す言葉は、本当は好きじゃない。
だってもしかしたら、もう帰ってこないかもしれないから。
二度と会えなくなるかもしれないから…。
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録