断末魔のこだま

戦場に吹き抜ける風には

　砂と　埃と　血のニオイと


　　魂の　叫び…

「おい千夜呼。」

「……。」

「聞こえてんだろ、千夜呼！」

「………。」

「あーお前はまた、こんなデケェ傷ばっか作りやがって。
　慶にーちゃん居なかったら、とっくに重症じゃねーかよ。」

「…………。」

「用事片付いたからよ、次から一緒に出るぞ。」

「……………ない。」

「あ？」

「………………いら、ない。」

「断る。いい子だから俺様の言う事聞いとけ。」

「………うるさい……煩い五月蝿いウルサイ！！！」


頭が割れそう、断末魔が耳鳴りとなって響き続ける。

もう、狂いそうなの。

虎太郎を振り切ってワタシは、黒い何かに身体を、心を
支配されたまま、戦場へと走り出した。