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ベッドの端に、突っ伏して眠る金色の髪の少年。
嗚呼、このヒトは、しってる。
「……ししょ。」
ベッドの横で、椅子に座って眠る男性。
いつも小奇麗にしているその顔には、無精髭。
「……たかす、さん。」
そして、慶が姿を現した。
「慶、おにぃちゃん……いっちゃう、ですか?」
「ゲームは彼らの勝ちだし、そういう約束だからね。」
「や……いや、です。」
慶は欲張りだなと笑って、千夜呼の頬を撫でた。
「僕は勝つ気でいたんだけど…悔しいよ。
死んだ人間には勝てないなんて言うけど、本当は逆なんだよね。」
千夜呼はずっと、3年間、慶の影ばかり追ってきた。
愛しぬいた人と共にある事だけを、望んできた。
居るはずがないと分かっていても、人ごみでは慶の姿を探し
電話が鳴れば、慶からかもしれないと期待した。
けれど千夜呼の心が、その3年間、傍にいてくれた
『生きている人間』を、愛してしまったから。
誰よりも、残された人間の絶望を知っていたから。
だから…泣きながらでも、生きるという道を選んでしまった。
「家族を亡くした千夜呼は、誰よりも"幸せ"に憧れてたよね…。
人はさ、幸せになるために産まれて来るんだって。」
「でも、でも慶おにぃちゃんは…。」
「僕は幸せだったよ、千夜呼に出会えたから…。
だから、君も、幸せにならなきゃだめだよ。」
慶と離れたくないと、千夜呼は何度も首を横に振った。
その度、涙の粒がきらきらと輝いては落ちていった。
「そばに、いたい、だから、いや……っ。」
「うん、僕もやっぱり悔しい。だからこれからも傍にいるよ。」
「え……?」
「このまま あっさり引き下がるのは、なんだかシャクだろ?」
慶は微笑んで、千夜呼に口付けた。
すると次の瞬間、慶の身体が光に包まれた。
「慶おにぃちゃ…!!」
「けどね、君を捕らえておくつもりはないから。
それだけは覚えておいて……愛してるよ、千夜呼。」
千夜呼が目を開けると、そこに慶の姿はなかった。
けれど光り輝く何かが、ふわりと手の中に落ちてきた。
「いぐにっしょん、かーど……。」
すぐにわかった。
慶が使役ゴーストという形で、傍にいてくれることが。
いつか千夜呼が幸せになり、天寿を全うするまで――。
死が二人を別つとも
愛し続ける事を、誓いますか?
嗚呼、このヒトは、しってる。
「……ししょ。」
ベッドの横で、椅子に座って眠る男性。
いつも小奇麗にしているその顔には、無精髭。
「……たかす、さん。」
そして、慶が姿を現した。
「慶、おにぃちゃん……いっちゃう、ですか?」
「ゲームは彼らの勝ちだし、そういう約束だからね。」
「や……いや、です。」
慶は欲張りだなと笑って、千夜呼の頬を撫でた。
「僕は勝つ気でいたんだけど…悔しいよ。
死んだ人間には勝てないなんて言うけど、本当は逆なんだよね。」
千夜呼はずっと、3年間、慶の影ばかり追ってきた。
愛しぬいた人と共にある事だけを、望んできた。
居るはずがないと分かっていても、人ごみでは慶の姿を探し
電話が鳴れば、慶からかもしれないと期待した。
けれど千夜呼の心が、その3年間、傍にいてくれた
『生きている人間』を、愛してしまったから。
誰よりも、残された人間の絶望を知っていたから。
だから…泣きながらでも、生きるという道を選んでしまった。
「家族を亡くした千夜呼は、誰よりも"幸せ"に憧れてたよね…。
人はさ、幸せになるために産まれて来るんだって。」
「でも、でも慶おにぃちゃんは…。」
「僕は幸せだったよ、千夜呼に出会えたから…。
だから、君も、幸せにならなきゃだめだよ。」
慶と離れたくないと、千夜呼は何度も首を横に振った。
その度、涙の粒がきらきらと輝いては落ちていった。
「そばに、いたい、だから、いや……っ。」
「うん、僕もやっぱり悔しい。だからこれからも傍にいるよ。」
「え……?」
「このまま あっさり引き下がるのは、なんだかシャクだろ?」
慶は微笑んで、千夜呼に口付けた。
すると次の瞬間、慶の身体が光に包まれた。
「慶おにぃちゃ…!!」
「けどね、君を捕らえておくつもりはないから。
それだけは覚えておいて……愛してるよ、千夜呼。」
千夜呼が目を開けると、そこに慶の姿はなかった。
けれど光り輝く何かが、ふわりと手の中に落ちてきた。
「いぐにっしょん、かーど……。」
すぐにわかった。
慶が使役ゴーストという形で、傍にいてくれることが。
いつか千夜呼が幸せになり、天寿を全うするまで――。
死が二人を別つとも
愛し続ける事を、誓いますか?
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録