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「…千夜呼、こっち!」
「黒ちゃん、お久しぶりでス!わざわざお迎えありがとありがとです!」
「びっくりした、千夜呼から連絡来るなんて…。思い出したんだ。」
「はい、全部。慶お兄ちゃんのことも、全部です。」
「そっか、それでそんな顔してるの?」
「え?どんな顔ですか?」
「表面上笑ってるけど、凄い哀しみ感じるよ俺には。」
「あはは、黒ちゃんさすが慶おにいちゃんの弟ですね。」
「…行こっか。車乗って?」
「はい!でも電話、黒ちゃん出てくれてよかったです。
 おじさんやおばさんだったら、チャコお話きっと聞いてもらえませんでしたから。」
「…ごめんな、二人とも頭固いし……千夜呼のせいにすることでアニキの事を…。」
「いいんです、それに本当のことです、間違ってないです。」
「…(頭を撫で)変わってないな、そうやって自己犠牲して他人の幸せ優先させんの。」
「別に、犠牲だなんて思ってないです。」



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「やっと、これましたです。」
「アニキ、愛しのハニーが来てくれたよ、良かったな。」
「(お墓に花冠のせ)遅くなってごめんなさいです、懐かしいです…ね?」
「千夜呼は辛いかもしれないけどさ、俺は…思い出してくれて嬉しいよ。」
「大丈夫、辛くないです。」
「千夜呼のダイジョウブほどアテにならないものは無いよ。」
「そんなことないですよ?」
「…な、俺と結婚しようか千夜呼。」
「チャコまだ15歳ですよ?」
「うん、だから16になったら。」
「あはは、考えておきますです。」
「うわー、アニキの時は即答でOKしたくせに。」
「…………ワタシ、恋とか結婚とか、もういいから。」
「なんだよ、そんなババァみたいなこと言うなよ寂しいな。」
「だって、そう思うんだもん。」
「千夜呼はどう感じてたか知らないけどさ、アニキは千夜呼の事…本気だったよ。」
「知ってる、あの"最期"見てれば、わかるから。だからこそ…。」
「それ…今の顔が、今の千夜呼が、本当の千夜呼?」
「どう、かな。」
「あ、千夜呼ケイタイ鳴ってる。」
「今は…いい。」
「飯食いいこっか、奢るよ?」
「ううん、今お腹すいてないからいいよ、ありがとう。」
「そう…じゃあ送るよ、鎌倉まで。」
「ありがとう。」


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「ワタシ、ヒトのこと大好きだけど、本当は凄く怖い。」
「うん。」
「笑わないから可愛げがないとか、笑ったら笑ったで鬱陶しいとか、厄介者だとか、死神だとか。
 岩手にいるとき、子供のとき、いっぱいいっぱい言われてきたから。」
「うん。」
「じっちゃんと慶お兄ちゃんだけだった、優しくしてくれたの。
 黒ちゃんと会ったのはずーっと後だったし。」
「うん。」
「そうやって相槌打ってただ聞いてくれるとこ、慶お兄ちゃんソックリだね。」
「そう?まぁ兄弟だからね。」
「…黒ちゃんは、死んだヒトをただ想い続けて生きてくだけの人生って、寂しいと思う?」
「……うん。」
「悪いことだと思う?」
「いや。」
「そっか。」
「うん。」



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「今日はホントにありがとありがとです、会えてとっても嬉しかったですよ!」
「俺も嬉しかったよ、また連絡くれる?」
「はい、今度は携帯にかけるです。」
「…じゃあこれ、あげる。1年早いけどさ。」
「……指輪、ですか?」
「アニキがさ、千夜呼が16になったら渡すんだって大事においてた奴。
 まーったく気が早すぎるっての、なぁ?」
「えへへ…ありがとありがと……です、ずっと大事します。」
「想い続けてくれるのは嬉しいよ、弟として。
 ただそれが、枷にならなければいい。きっとアニキも同じ気持ちだよ。」
「(微笑む)大丈夫です。」
「…俺、アニキと似てる?」
「外見は似てないですけど、性格の根っこの部分とかちょっとしたクセとか似てます。」
「じゃあアニキのかわりに、ちょっとだけ抱きしめていい?」
「はいです。」







黒ちゃんはちょっと 慶お兄ちゃんみたいな匂いがして
胸が苦しかったけど うれしかった



スカルフェンサーになった慶お兄ちゃんとお別れしたこと
ワタシ後悔してない



ダイスキだから 遠くから見てくれてるだけでいい



ダイスキだから きっと夢で会える



でもダイスキだから たまには名前を呼ぶのを 許してほしい





ワタシのダイスキな人が どうか笑顔で 幸せでいてくれますように

それだけが今のワタシの願いです



神様仏様 今度こそささやかなワタシの願いを 聞き届けてください

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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
御言葉
[09/19 BlackMan]
[09/02 香住]
[08/27 健斗]
[08/03 あー]
[08/01 香住]

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