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【こりすちゃん先輩→師匠→チャコ でリレー】
「何を迷うの、虎太郎。」
「え、いや……。」
可笑しなヒトだと思った。
いつも頼まなくてもホイホイ里栖やワタシの頭を撫でたりするくせに
何故こう肝心な時に、何も出来ずにいるのかと。
「アナタお得意じゃない。」
「…………千夜呼。」
「なによ。」
「教えてくれ、俺様……どうすればいいんだ?」
「……バカね。」
「ああ。」
ワタシはひとつ溜息をついて、虎太郎の傍に腰を下ろした。
そうして虎太郎の手を取った。
「この手は、何のためにあるの?」
「…………大事な奴らを、守るため。」
「そう、分かってるじゃない。じゃあ今ここで泣いてる大事なヒトを
哀しみから守ってあげなさいよ、その手で。」
「どう、やって?」
「…アナタは知ってるはずよ、いつも無意識にやってるのね。
雅臣のおばさんは、いつもアナタをどうしてたの?」
虎太郎は少しの間、宙を仰いで、それからやっと
里栖の背中と頭を撫で、なだめ始めた。
「アナタの身体にはもう染み付いてる、心に刻み込まれてる。
ヒトの…………正しい愛し方が。」
「もしこの腕が……無くなっても?」
「そうね、例え両腕失っても、大丈夫よ…………アナタは。」
言うと、ようやくワタシを見て虎太郎は微笑んだ。
今にも泣き出しそうな、まるでコドモみたいな顔で……。
何が正しいか、間違っているか……決めるのが誰かは分からない。
ただその心が、相手を『愛おしい』と叫ぶのなら
きっとそれが、そのヒトにとって正解なんでしょうよ……。
【終】
「何を迷うの、虎太郎。」
「え、いや……。」
可笑しなヒトだと思った。
いつも頼まなくてもホイホイ里栖やワタシの頭を撫でたりするくせに
何故こう肝心な時に、何も出来ずにいるのかと。
「アナタお得意じゃない。」
「…………千夜呼。」
「なによ。」
「教えてくれ、俺様……どうすればいいんだ?」
「……バカね。」
「ああ。」
ワタシはひとつ溜息をついて、虎太郎の傍に腰を下ろした。
そうして虎太郎の手を取った。
「この手は、何のためにあるの?」
「…………大事な奴らを、守るため。」
「そう、分かってるじゃない。じゃあ今ここで泣いてる大事なヒトを
哀しみから守ってあげなさいよ、その手で。」
「どう、やって?」
「…アナタは知ってるはずよ、いつも無意識にやってるのね。
雅臣のおばさんは、いつもアナタをどうしてたの?」
虎太郎は少しの間、宙を仰いで、それからやっと
里栖の背中と頭を撫で、なだめ始めた。
「アナタの身体にはもう染み付いてる、心に刻み込まれてる。
ヒトの…………正しい愛し方が。」
「もしこの腕が……無くなっても?」
「そうね、例え両腕失っても、大丈夫よ…………アナタは。」
言うと、ようやくワタシを見て虎太郎は微笑んだ。
今にも泣き出しそうな、まるでコドモみたいな顔で……。
何が正しいか、間違っているか……決めるのが誰かは分からない。
ただその心が、相手を『愛おしい』と叫ぶのなら
きっとそれが、そのヒトにとって正解なんでしょうよ……。
【終】
お、遅くなってごめんなさいなのでス!
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録