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ヨンロク号の前で、千夜呼はふと立ち止まる。
頭上に輝くいくつかの星。
それをぼんやり、月色の瞳で見つめていた。

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「迷った時は、愛のある方へ行けばいいと
 言ったのは、ダレだったでしょか――。」

いくら手を伸ばしても届かない星を追いかけるのは
先が見えなくて、とても切ない。苦しくなる。

そんなとき、すぐそばに、暖かく光る星に気付いた。

別に、すぐ手が届くから、そこへ逃げたいとか
そんなんじゃない。

ただ、どちらがシアワセなのか、考えてしまっただけだ。


「慶おにぃちゃん、ぎゅってして?」

後ろから回された腕が、千夜呼の細い身体を包み込む。
ひんやりした骨の感触が、今夜は何故か心地よかった。

「ねぇ、慶おにぃちゃん。
 愛しくて、恋しくて、焦がれて仕方がないヒトと
 世界が終わる日、イッショにいたいヒト。
 必ずしも同じとは限らないんだって。
 どうしてだと思う?」

もちろん、使役ゴーストである慶は、何も答えない。
千夜呼も口調こそ疑問系だったが、答えを欲してはいなかった。



やがて、どちらかが促すでもなく
二人の影は、ヨンロク号の中に吸い込まれていった。
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
御言葉
[09/19 BlackMan]
[09/02 香住]
[08/27 健斗]
[08/03 あー]
[08/01 香住]

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