春よ、遠き春よ…。

お知り合いさんのトコロに、春がくるみたい。
ちゃこのトコロにも、いつか来るのでしょか。
ちゃこもダレかの『トクベツ』になれるのでしょか。
そんな暖かい日々が、やって来るのでしょか…。

こんなコトを想っていても、ちゃこのココロは
いつもどこか、諦めちゃってます。
不毛れすよね…。

「ね、師匠。」
「あ？」
「ぎゅーってしても、いい？」
「やだ。」
「！」
「されるのはな、でもしてやんのはいいぜ。」
「むゅー。」

結局ちゃこはまだ、師匠の腕の中っていうシェルターにいます。
茨だらけのセカイで、守ってくれるシェルター。

「でも、ホントに欲しいのは俺様の腕じゃねーだろ？」
「……そんなこと、ないもん。」
「そうかよ。」
「そうらよ。」

手に入らないって分かってるものを追いかけるのは
切なくて、苦しくて、泣きたくなる。
それでも追いかけてしまうのは、やっぱり…スキだから――。