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バイトの帰り、またバッタリ鷹栖さんに会いました。
家の方向が一緒というわけじゃないですけど
送るといって聞かないので送ってもらうことにしました。
こりすちゃん先輩の頑固さは、間違いなく鷹栖さん譲りです。
まるでホントの父親みたいな暖かさを持つ鷹栖さんが、チャコはダイスキです。
一人で歩くと長いこの帰り道も、今日は苦になりません。
むしろもっと長くなればいい、そんな風に思いました。
静かな細い道に入ったとき、街灯がジジッと音を立てて消えました。
その瞬間です、確かな殺気と低い唸り声が聞こえたのは……。
暗闇にボウッと点る気味の悪い光。
目、あの目、知ってる。
慶お兄ちゃんを襲った、あいつの目と一緒。
地縛霊…雅鎖螺。
血の気が引いて、身の毛がよだつ。
フラッシュバックする、紅い世界。
ぐにゃりと視界が歪んだ。
「千夜……コレが、里栖たちが戦ってる敵なんかい?」
「そう、です。」
「まさかおめーも…………能力者…。」
「……。」
頭がぐらぐらする。
慶お兄ちゃん、慶お兄ちゃん、慶お兄ちゃん!!
思い出が走馬灯のように駆け巡って、前が見えない。
「千夜!!!」
その声でハッと我に返る。
ワタシは鷹栖さんに抱きしめられていた。
鍵爪を振りかざし襲ってくる雅鎖螺の動きが、まるでスローモーションみたいに見えた。
鷹栖さんが、慶お兄ちゃんと重なる。
ねぇ、この後どうなった?
ねぇ、あの時、この後どうなった?
「あああああああああああああああああぁ!!!」
力任せに鷹栖さんを押しのけ、前に踏み込む。
詠唱兵器であるバット『獄楽逝』を手に……。
ワタシは渾身の力を振り絞って、獄楽逝を振りかぶる。
恨み、憎しみ、復讐心、殺意、全ての負の感情を込めた。
骨が砕ける鈍くて大きな音と、確かな手ごたえ。
紅く染まったリビングデッドが、ずるりと足元に崩れ落ちた。
守れた…ワタシは護れたんだ……今度こそ。
まもれた、まもれた!
まもれたまもれたまもれたまもれたしなせなかった!
「あは……あはは………アハハハハハハハハハ!!!!」
もう何の音も聞こえなかった。
もう何も耳に、脳に届かなかった。
ワタシは血に塗れた獄楽逝を抱きしめ、転がるリビングデッドを踏みつけて
止まらない笑いをただ吐き出し続けた。
自分の声だけが世界に響く。
この世界はもう、闇に飲まれてしまったのだろうか。
護れたのに、ワタシ護ったのに…。
嗚呼、月明かりすら見えない。
この世界は、真っ暗闇だ……。
ふわり
あたたかくて、力強い何かに包まれる。
これは、何?
それが鷹栖サンだと理解するのに、ずいぶん時間がかかった。
「触ら、ないで。」
「なんで。」
「汚れるからよ……鷹栖サンが。」
「構わん、気にするな。」
「…ワタシが構うの、気にするのよ。」
「千夜。」
いつもと変わらぬ声で、名前でワタシを呼ぶ。
「よしよし、怖かったしょや。」
何言ってるの、ワタシを見ていたでしょう?
「もう泣いてもいいから。」
何言ってるの、ワタシは笑っていたでしょう?
「男なのに守ってやれなくてスマン…ありがとな。」
何言ってるの、ワタシは、アナタは……。
何を………なにを………なにを…………………。
やめて、ワタシの頭の中をグチャグチャにしないで。
振りほどこうとしても、鷹栖サンの力には到底敵わなかった。
もがいているうち涙が止まらなくなって、バカみたいに泣いた。
「なぁ千夜、今日曇ってるしょや。それでも織姫と彦星は会えると思うかい?」
「…………会えます、きっと。」
「ああ、俺もそう思う。そういう運命なんだべさ、きっと。」
「うんめい?」
「雨が降ろうが星が隠れようがどんな邪魔が入ろうが、一緒になる運命。
自分たちが変えようとしない限り、変わらないんだわそういうのはきっと、ずっと。」
「チャコには…どんな運命あるでしょか。」
「俺と一緒になる運命だったら、おめーどうする?」
「ふふ、頑張っていい奥さんになりまス。」
「そりゃーー楽しみだ。」
鷹栖さんにおんぶしてもらって、お家まで帰りました。
雲間から見えた小さな星は、一生懸命輝いていました。
家の方向が一緒というわけじゃないですけど
送るといって聞かないので送ってもらうことにしました。
こりすちゃん先輩の頑固さは、間違いなく鷹栖さん譲りです。
まるでホントの父親みたいな暖かさを持つ鷹栖さんが、チャコはダイスキです。
一人で歩くと長いこの帰り道も、今日は苦になりません。
むしろもっと長くなればいい、そんな風に思いました。
静かな細い道に入ったとき、街灯がジジッと音を立てて消えました。
その瞬間です、確かな殺気と低い唸り声が聞こえたのは……。
暗闇にボウッと点る気味の悪い光。
目、あの目、知ってる。
慶お兄ちゃんを襲った、あいつの目と一緒。
地縛霊…雅鎖螺。
血の気が引いて、身の毛がよだつ。
フラッシュバックする、紅い世界。
ぐにゃりと視界が歪んだ。
「千夜……コレが、里栖たちが戦ってる敵なんかい?」
「そう、です。」
「まさかおめーも…………能力者…。」
「……。」
頭がぐらぐらする。
慶お兄ちゃん、慶お兄ちゃん、慶お兄ちゃん!!
思い出が走馬灯のように駆け巡って、前が見えない。
「千夜!!!」
その声でハッと我に返る。
ワタシは鷹栖さんに抱きしめられていた。
鍵爪を振りかざし襲ってくる雅鎖螺の動きが、まるでスローモーションみたいに見えた。
鷹栖さんが、慶お兄ちゃんと重なる。
ねぇ、この後どうなった?
ねぇ、あの時、この後どうなった?
「あああああああああああああああああぁ!!!」
力任せに鷹栖さんを押しのけ、前に踏み込む。
詠唱兵器であるバット『獄楽逝』を手に……。
ワタシは渾身の力を振り絞って、獄楽逝を振りかぶる。
恨み、憎しみ、復讐心、殺意、全ての負の感情を込めた。
骨が砕ける鈍くて大きな音と、確かな手ごたえ。
紅く染まったリビングデッドが、ずるりと足元に崩れ落ちた。
守れた…ワタシは護れたんだ……今度こそ。
まもれた、まもれた!
まもれたまもれたまもれたまもれたしなせなかった!
「あは……あはは………アハハハハハハハハハ!!!!」
もう何の音も聞こえなかった。
もう何も耳に、脳に届かなかった。
ワタシは血に塗れた獄楽逝を抱きしめ、転がるリビングデッドを踏みつけて
止まらない笑いをただ吐き出し続けた。
自分の声だけが世界に響く。
この世界はもう、闇に飲まれてしまったのだろうか。
護れたのに、ワタシ護ったのに…。
嗚呼、月明かりすら見えない。
この世界は、真っ暗闇だ……。
ふわり
あたたかくて、力強い何かに包まれる。
これは、何?
それが鷹栖サンだと理解するのに、ずいぶん時間がかかった。
「触ら、ないで。」
「なんで。」
「汚れるからよ……鷹栖サンが。」
「構わん、気にするな。」
「…ワタシが構うの、気にするのよ。」
「千夜。」
いつもと変わらぬ声で、名前でワタシを呼ぶ。
「よしよし、怖かったしょや。」
何言ってるの、ワタシを見ていたでしょう?
「もう泣いてもいいから。」
何言ってるの、ワタシは笑っていたでしょう?
「男なのに守ってやれなくてスマン…ありがとな。」
何言ってるの、ワタシは、アナタは……。
何を………なにを………なにを…………………。
やめて、ワタシの頭の中をグチャグチャにしないで。
振りほどこうとしても、鷹栖サンの力には到底敵わなかった。
もがいているうち涙が止まらなくなって、バカみたいに泣いた。
「なぁ千夜、今日曇ってるしょや。それでも織姫と彦星は会えると思うかい?」
「…………会えます、きっと。」
「ああ、俺もそう思う。そういう運命なんだべさ、きっと。」
「うんめい?」
「雨が降ろうが星が隠れようがどんな邪魔が入ろうが、一緒になる運命。
自分たちが変えようとしない限り、変わらないんだわそういうのはきっと、ずっと。」
「チャコには…どんな運命あるでしょか。」
「俺と一緒になる運命だったら、おめーどうする?」
「ふふ、頑張っていい奥さんになりまス。」
「そりゃーー楽しみだ。」
鷹栖さんにおんぶしてもらって、お家まで帰りました。
雲間から見えた小さな星は、一生懸命輝いていました。
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御紹介
名前:
異空 千夜呼
生誕:
1991/11/11
過去録